スリランカはビザが要る vol.4 一年で一度の特別な日に向けて翔べ

スリランカ入国には、ビザが要るらしい。なんてこった、全然考えていなかった。だって日本のパスポートは本当に優秀で、2018年にはシンガポールと並んで、世界でもっとも多くの国にビザなしで入国できるパスポートになった。

その数180ヶ国。2019年2月現在、日本が「世界の国数」として公表しているのは、日本を含めて196カ国だから、なんというか「ほぼすべて」といっても過言ではない。

私がこれまでビザを取ったことがある国は、カンボジア、ミャンマー(現在は不要)、キューバ……くらいのものだろうか。あとは未遂だが、ロシアも必要。スリランカは完全に否・マークだった。なんてこった。

簡単に調べてみたところ、スリランカのビザは、どうやら以下のサイトで取得するらしい。値段はUSD36。日本円にして大体4,000円。短期の韓国目的の滞在でも必要みたい。

で、取ろうとした。航空券予約の表記って決まりきってるから、そう難しくはない。名前とか、生年月日とか、パスポートの情報とか。上から順番に入力していったら、途中で「いつ入国する予定か、また航空券の便名は?」とかって項目が出てきた。

そっか、ビザを取るためには、まずは往復の航空券情報が必要なのか(スリランカ入国には、入出国の航空券を持っていることが必須、とは噂で聞いていた)。ん……、けどそうすると、オンラインビザ申請で早めに結果がわかる可能性が高いとはいえ、とりあえず「事実としては、ビザがない状態で航空券を予約しなきゃいけない」ってこと……?

こわっ!(笑)

往復の航空券を予約しちゃったあとに、万が一ビザが取れないとかって結果になったら(まぁないとは思うけれど)どうしたらいいのよ!(笑)

と思いながら、まぁでもそういう順番ならば、仕方がないな、と思って、ビザ取得の手続きを進める。びっくりした。本当にものの数分でビザはメールで送られてきた。ううん、正確にいうと「ビザ取得完了のメールが飛んできた」だけ。何も書類とか、ない。ベタ打ちの文章だけで、タイトルが「Sri Lanka ETA status Acknowledgement」だった。

そしてもう一個、航空券を取るときに、気がついたことがある。一応私は、航空券を予約する前に、外務省の海外安全ホームページで、安全レベルをチェックするようにしている。

それと並行して、現地の祭日を調べる。たとえばイスラム圏だと、断食期間であるラマダンの時期は、何かと物騒だと聞くからできれば避ける。その時期の方が、特別な景色や文化が体験できる、という目的ならばまた別だけれど、祝祭日は何かと予想外の出来事が起こりやすい。加えて公共交通機関や、お店がランダムに変化する。休みのことも多いし、時間変更も当たり前。

と思って見たら、なんと入国を考えている3月5日が、スリランカで満月を意味する「ポヤ・デー」の、1年で一番大切な満月の日「メディン・ポヤ・デー」にあたるらしいと知った。その事実は、私の手元にあったガイドブックの『るるぶ』に書いてあったんだけれど、でもなんだか日程がおかしい。

だって、今日は、すでに2月27日だ。で、つい数日前が満月だった。今は月が欠け始めている時期で、3月5日、来週が明けてすぐにまた満月、ってのはおかしいな、と思ってウェブで自分で調べたら、なんか『るるぶ』の方が間違ってた。

きっと2018年とか、去年の発行なんだろうな、と思って「何年版のるるぶなのか」をきちんと見たら、なんと私、2014年の『るるぶ』を見てた。そりゃ日付違うわ。なんで私『るるぶ』のせいにしたんだろう。私のせいだ。ごめんなさい。未来永劫『るるぶ』に謝って生きていきたい、と思った。

ということで、きちんと自分で調べ直すことは本当に大切だ、とか当たり前のことを思いながら、私は2019年の「メディン・ポヤ・デー」は3月20日だということを知った。で、代わりに「メディン・ポヤ・デー」よりももっと大切そうな、スリランカのおもな信仰の対象であるヒンドゥー教の、一年に一度の神聖な日「マハー・シワラトゥリー・デー」が、3月4日だということを自覚する。こういう情報は、やっぱりスリランカ観光局の公式サイトとかで確認するのが、一番いい。

「マハー・シワラトゥリー・デー」。それは一体、どんな日だろう? 何が起こるか分からないけれど、なんだか「今の私には必要そうな気が」した。

だから、3月4日の当日じゃなくて、前日の3月3日にスリランカの首都・コロンボに入っておこう、と決めた。タイ・バンコクに着くのが3月1日のお昼過ぎ。2日を丸一日遊んで、そして3日の夜にスリランカへ。少しバタバタだけど、仕方がない。

初めて行く国。私はどこの国でも「古都」とか「昔、首都だった」という街が好きなので、スリランカでは「ゴール」という街にも行ってみることにした。といってもまだ、スリランカ・コロンボの国際空港に着いてから、15日の深夜に出国するまで、その間どうするかは何も決めていなかった。できれば長らく憧れていた、シギリヤロック、っていう場所にも行ってみたいなと思っていた。オーストラリアのウルルに、少し似た一枚岩のイメージを持っていた。広い大地に、濃い緑、茶色の岩に、青い空。そんな景色の中、風に吹かれる想像を、今から拡げる。

海と、山と、自然と、行ったことがない新しい街。ヒンドゥー教のあたたかな感じ。きっとカラフルな雑貨たち、バワの有名な建築物群、アーユルヴェーダの癒しのひとときに、昔ポルトガル領だったというアジアとヨーロッパが融合した、独特な街並み。インドの南、北海道より一回り小さいくらいの、海に囲まれたその国。

出国日は、もう明後日だった。明後日の朝5時半には、家を出て成田空港の第三ターミナルに向かわねばならない。「またね」と言わなければいけない相手を呼び出して、一緒にお茶をして、笑いあって。その間にamazonで必要なものを明日の午前中に到着するように取り寄せて、洗濯物を乾かして、スーツケースを広げて。出発に向けて準備をする。待っていて。きっともっと、笑っている私で帰ってくるから。旅が、刻一刻、楽しみになってくる。